【ギラバニアの貴公子】二つの顔

彼は2つの顔を持っている。

一方は、愛想が良く、相手を思いやる、そんな素振りを見せる顔。

もう一方は、真の目的。その目的達成のために手段を選び、投資を行い、回収の時期を見定める顔。

貴方はそのどちらを見ることになるだろうか?

ギラバニア王国が故国となった彼の眼は遠くを見つめている。

近親の者の多く失い、
それよりも多くの敵対する者を葬り去り、
それよりも遥かに多くの未来を失った。

彼に残る者は僅かばかり。

今の彼の眼は固く見開かれている。
強い意志と強固な権力を持って揺るがない未来を見定めている。
一点を見定めているのではない。
全てを見定めているのだ。

もう一度云おう。
貴方はそのどちらを見ることになるだろうか?

それは彼にとっての敵味方だけで決まるものではない。
彼にとって何を成しえるかで決まるものではない。
彼にとって貴方が何に観えるかで決まるのである。

それは何を持って決まるのか私にも判らない。

最後にもう一度云おう。
貴方はそのどちらを見ることになるだろうか?




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