古い言い回し

電話のダイヤルを回す。

その昔、電話にはボタンは無かった。大きなダイヤルが付いていてその周囲に数字が印刷されていた。

番号に近いダイヤルの穴に指を入れて金属製の部品までダイヤルを回し指を離すと内臓されたバネと摩擦式の速度調整器の組み合わせで一定速度でダイヤルが戻る仕組みになっており、その間にパルスを電話局に送信していた。

急くあまりユックリと戻るダイヤルを指で押し戻すと電話局側の機器がパルスを正しく読み取れない。

 

テレビのチャンネルを回す。

その昔、テレビのチャンネルはガチガチ音を立てて切り替えるダイヤルで切り替えていた。

このためチャンネルを頻繁にガチガチ切り替えると接点が摩耗し【テレビが故障する原因】になる。子供がいる家庭では悩みの種であった。

テレビがモノクロからカラーに置き換わるまではしばらく期間を要したが、電子式チューナーを採用したテレビへの移行は非常に短いものであった。

 

レコーダーの巻き戻し。

昔は音声や映像の記録装置はテープ状の記録媒体と磁気ヘッドで構成されていた。エジソンの円筒式音声記録装置ので磁気テープ版である。※円筒式の直系の磁気ドラムは絶滅し、孫の円盤式磁気記録装置(HDD)は今もなお顕在である。

尚、HDDに類似する円盤式光学記録装置はHDDの後継として有望視されながらレーザーによる記録媒体の熱ダレで長時間の継続利用とが困難なことやHDDの弛まない大容量化で敗退を繰り返し世代交代(CD⇒MD⇒DVD⇒BD…)をしながら延命中。

テープなので記録方法はシリアル・アクセスのみ。最初から視聴するためにはテープを時間をかけて最初まで巻き戻さなければいけないので【巻戻し】は必須機能だった。

アニメや映画で記録映像の早送りや巻き戻し時に映像にノイズが入ったり音声が高い周波数にシフトさせて表現することがあるが、これは旧式のアナログ・ビデオレコーダーでの早送り・巻き戻しのアイロニーである。

 

ピーガガガー

今でも会社にあるFAXから聞こえるピーガガガーの発生源はモデムで、ピーガガガーと云えば音響カプラー(以下、カプラー)やモデムを連想する人もいる。

どっちも機能は同じだが、カプラーは受話器に押し付けて使い、モデムは電話線の差し込み口に繋いで使うものだ。

モデムとは本来、変調復調装置(modulator demodulato)のことで電話回線の音をデジタル信号(0,1)に置き換える装置のことだった。

今では広域ネットワークの通信方式には雑多と云っていいほと多種多様になり、その通信末端装置の呼称も、前述のカプラー、モデムをはじめ、加入者回線終端装置(DSU)、光回線終端装置(ONU)、ターミナルアダプタ(TA)といっぱいある。回線技術を追いかけてる技術者はともかく一般ユーザーにとっても販売員にとっても意味不明な単語ばかりである。

このため、勢い一番古い呼称(モデム)を総称としてしまったようだ。※新型の用語は「新しい通信方式のモデムです」的に。※本当に一番古いものはカプラーだが、形状が受話器なので除外されたらしい。

広域ネットワークやモデムのチップの技術向上により数年で通信方式そのものや装置の名称の移り変わりが早いため、安価なものを除けばモデムだけはレンタルを利用した安上がりな傾向にある。

 

 メール

本来は郵便物のことである。

今ではSMS電子メールまたは宅配のメール便を意味する。

このため、本来は企業から個人に宣伝用のチラシなどを郵便で発送するダイレクト・メール(DM)郵便で発送すると云う意味で使われる場合が多くなっている。(実際に発送業務をDM業者に委託していたり、一緒にチラシも入っていることもある)

 

AT

自動車の自動変速機のこと。今はATが標準装備なので使わないことが多い。

モデムの通信コマンド、シリアル転送速度や+++で回線切断など色々。一般ユーザには縁が無さそうだが、携帯電話のデータ通信のAP接続設定の様なものでWindowsパソにモデムを繋いで通信するには今でも画面から自力で設定が必要だ。

アーマードトルーパーの通称。装甲騎兵ボトムズのロボットのこと。

類似語:新世紀エヴァンゲリオンのバリアーはA.T.フィールド

類似語:トヨタのAT86はATを省略し86と呼ばれている。なお、スプリンター・トレノ (SPRINTER TRUENO)カローラレビン (COROLLA LEVIN)の2機種があった。

 
 




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