ノートPC用SSD XP941

今のSSDの多くはSATA接続だ。一部PATA接続もあるが、このPATAはSTATAのような一本の信号線ではなく複数の信号線を使用するパラレル通信で、単純に考えればPATAの方がSATAより大量にデータ通信を行えるハズだ。
一般にパラレル通信はデータ線と制御線が分かれており、制御線がONの状態になったらデータ線の状態は確定してますと通知する方式だ。信号を流れるケーブルがある程度の変形を容認しているから信号経路のアナログ的な性質は使用状況によって変動幅があるので、制御信号を持つパラレル方式の方がシリアル方式より信頼度は高い。しかし、それはデータ線の信号が全て安定するまで待つことが前提であり、ある程度まで通信速度をあげると、限界に達する。
またパラレル通信では信号の状態が0000と続いた場合、信号線の状態だけ観測しても全く変化が無く何回連続しているのか判読できない。このため信号線のON/OFFを切り替えて何回連続したのかを表現する必要がある。シリアル通信ではスタートビット、ストップビット、同期コードなどを挟むことで0000と連続した状態が何回連続しているのか判別できるから、ビット単位の同期などは不要で、大雑把に1パケット単位で同期が取れればいいだけだと気が付けば、シリアル通信の方が信号の補正技術が進めば素直に速くなる!と開き直ったのがSATAである。今ではSATA-3のデータ通信速度は6Gbpsにまで達しており、最近出てきたAMDのCPUの5GHzをも上回っている。それでも速度が足りないとシリアル通信を束ねたのがPCI-Expressである。
さて、そんなSATAでも欠点がある、それはCPUが直接SATAをサポートしていないのでCPUとSATAの間に何がしかのチップが介在し、CPUの信号をSATAの信号に置き換える処理時間はそれなりに必要だ。
その点、PCI-Expressなら今のCPUなら直接信号線が出ているので、信号を置き換える処理も不要で、速いんじゃないかと出てきたのが、PCI-Express接続のSSDで、XP941がそれだ。
シーケンシャルリードで最大1400MB/sに達するらしい。高速なSATA接続のSSDでも500MB/sあたりだから、2.5倍近く速い。
ワザワザ ノートPC用とうたっているのは、その形状が「M.2」フォームファクタに準拠しており、主にノートPCで使用されているからだ。デスクトップ用のマザーボードでこの「M.2」フォームファクタのSSDが使えるものは今のところ無い。
元々PCI-Expressはグラボ向けに用意された経緯があるので、デスクトップのマザーボードが「M.2」にPCI-Expressのポートを割り当てると、グラボで使えるポートが減ってしまい、スペック上不利になる。サウスブリッジのチップセットのPCI-Expressを使えば良さそうだが、こっちは同じPCI-ExpressでもVer2で通信速度は半分になってしまうので、付けた方がよいのか、付けない方がよいのか微妙になってしまうので、 いっそのこと、PCI-ExpressVer2×16なSSDを取り付けた方が潔いというものだ。
今のところM.2ファクタの基板をPCI-Expressに直接接続できそうなアダプタ基板はあったが、多少改造が必要なようだ。
※ADP (MiniCard用PCIeアダプタ ver1.0) x1




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