かつて側溝には蓋も柵も無かった。
危ないんだから近づくな。近づかないのだから、蓋も柵はいらない。この考えでは歩いている最中にヨロめいたら、側溝に落ちてしまう。
今では側溝の蓋は当然、歩道の脇が下り坂になっていれば柵が付いている。危ないから先に手を打っておくという考えだ。これをフェイル・セーフ(転ばぬ先の杖)という。
今は、付近の住人が十分気を付けた結果、事故が起きていないなら、柵も蓋も不要と云う考えだ。これを泥縄(泥棒を捕まえた後に泥棒の手を縛る縄を編むという逸話)という。
なぜ、そうなったのかと云えば、今まで散々無駄使いしたので、必要なところまで、予算が回って来なくなったせいだ。
さらに 泥縄=泥だらけの縄 というイメージから、そんなモノは使いたくないもの。そこから転じて、「泥縄=使い物ならないモノや考え」という風に意味も変わってしまっているようだ。
こうなると、日本語は難しい。
今のいろんなデジタルガシェットのUIは、そんな感じ。
3Dぽかったデザインをフラット風にしたのはクールだからではない、3Dぽいデザインのコントロール(あるいはビュー)は周囲にアニメーションするための十分な余白が必要だが、小さい画面ではその余白が十分とれないので、平坦なデザインの方がいっぱい詰め込めるのが一番の理由だと思う。
Windowsの様なマウス操作だったらカーソルが近づいてきたというイベントは処理が意外と簡単だが、スマフォは最初からタッチパッドでの操作ありきなのでこのイベント処理は面倒だ。勢いコントロールの近くに指を近づけけても無反応で、ロックを解除する時も省電力化のためタッチパットの反応が鈍く、とても操作をミスしやすくなっているから、ロック解除処理のみとなっているが、反応が鈍いので最初の1回目はロックの解除をミスりやすい。それでいて「緊急通信」のボタンは押しやすくしてあるから、放っておいたスマフォを何気に掴み上げると、「緊急通信モード」になってしまうことが多い。
なので、現実にはクールとはとても云えないシロモノになっている。
だから、指紋認証の様に記憶に頼らない簡単な操作でロックを解除できるデザインが一番いいのだ。i-phone5Sや6はよく考えられていると思う。
勿論、顔面認証や声紋認証でもいいのだが、何分CPUが寝ぼけているので、信頼性はひくいだろう。指紋認証なら何度か指をあてるのは、そう不愉快ではないが、登録した呪文を何度も唱えたり、周囲の照明を気にしながら、顔面を写しているのも滑稽だ。
だが世の中、ロック解除だけのために、指紋認証を付けることを許容しない。個人認証も兼ねてクレジット決済をしたり、色々と使い道を提案しなければならないことになったようだ。
それに周囲で大きな音や歓声が沸くとSiriが「だだだだ・大丈夫ですか?」を心配そうな声を出すのも、どうしたものか?無ければ無いで困るだろうし、Siriが誤爆するのも困る。仕方がないので、今は誤爆しそうな場面では指で電源をOFFするようにしている。Siriに「電源を切る」と頼むと「そうしたいのはヤマヤマデスができないのです」と答えてくれる。多分、近くの人の声を拾って勝手に電源が切れると困る場面もあるのだろう。
やはり、まだまだ、なようだ。