キャンセルのキャンセルはキャンセル?

概ね会話では、
キャンセル、キャンセルと2度云うのは
とても重要なコトだからであり、キャンセルを強調したのであるから、
キャンセル、キャンセル = キャンセル
である。
実は、画面の中のウインドウの右上の【×】も、元は『画面に数えるのも面倒なほど沢山開いてしまったウインドウをワンクリックで簡単にパパッと消せる様にした【簡易操作のキャンセル】ボタン』である。
このボタンが実装されるまでは
沢山開いてしまったフォルダ・ウインドウを閉じるには・・・
「ウインドウの「プルダウンメニュー」を開き「クローズ」メニューを選択してウインドウを閉じる」 × 「消したいウインドウの数」
という過酷な操作を行うか、「ログアウト」ボタンを押すかの二択となっていた。
今日のフォルダ・ウインドウも「何もメッセージを表示せずにすぐ閉じ」とても便利。空気の様にまるでウインドウズには最初から【×】存在していたかの様に思える。
だが、最初のウインドウズはタイリング・ウインドウ・デザインであり、うっかり【×】を押すと画面がヘンテコにタイリングされる厄介モノでしかなかったし、フォルダウインドウ=エクスプローラの窓の間をファイル・アイコンをマウスでドラッグするという発想も無かった。というかアイコンはクリックするボタンであって、ドラッグするものではなかった。
とは云え、色々操作するアプリケーションとなると、その場で閉じても困らないブラウザはともかく、MS-EXCELやMS-WORDの【×】を押した途端にウインドウが消えたりすると、何時間も推敲した原稿がパァーになるので不評であった。このため、【×】のデザインはそのままに、名前を変え『ウインドウのクローズ』機能に変更され、雨が吹き込んできたので窓を閉じる様に要求すると「ベランダに洗濯物を干したままですが、窓を閉めてもよろしいですか?」と、それとなく「失態を指摘する」確認メッセージ機能もオプションで付ける事が推奨されている。
GUI操作での簡易さをサポートする重要な機能に『UNDO』(俗称:運動)がある。
これは、「うっかりファイルを削除」しても『UNDO』と唱えれば「消えたファイルが復活する」便利すぎるものだ。
※ネットワーク越しには『UNDO』が使用できないので、ファイル・サーバー上のファイルは復元できないし、確認メッセージも出ない。
相対する機能に『ReDO』(和訳:やっぱり止めた=やり直し)がある。ReDO=UNDOのUNDO なのだが、ReDOのReDOには諸説があり、

  • ReDO+ReDO = フリダシに戻る = 何も無かったことにする。
  • ReDO+先のReDOをもう1回やる = ダメ出しする。
  • ReDOの後のReDOは無効(ボークと宣言されブザーが鳴る)
  • ・・・

この様にGUIにおいて【キャンセル】(否定演算・操作)は鬼門で、簡単なGUIのデザインですら難しいものになってしまうので、GUIにおいては否定的あるいは後ろ向きな行動を取らず前向き(あるいは前のめりになる)な姿勢が好ましいデザインである事をまず学ぶべきである。
と云うのも
押すとその場ですぐ自爆する自爆スイッチにはキャンセル機能を実装するのは非常に困難であり、キャンセルという用語は使うべきではないと思ってしまうかもしれない。
しかし、1TBのファイルの様な巨大すぎてUNDOができない場合には
「ファイルサイズが大きすぎるので復旧はできません。本当に消してもいいですか?(はい、いいえ)」
ではなく
「ずいぶんと大きなファイルだね!じゃ今から消すね!(OK、キャンセル)」
の様に「キャンセルのキャンセルが存在しないところ」で使った方が、ちゃんと意志の疎通が取れるのだから。(笑




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