SFマガジン連載中はポツポツと読んでました。
2年前に単行本で出てたんですが、高かったんで・・・
3月に出た文庫本で読んでみると、話がゴッチャゴチャになっていてよく判りませんねぇ。
連載の時は、短編風に散文みたいに読めばよかったんですけどね。
状況が複数の時系列の断片の塊と化していて、はっきりとした筋道はありません。
IFSに欺瞞情報を入力しFAFを仲間撃ちさせたように、人間にも欺瞞情報を入力したい。
それがJAMの対人戦略。
原因と結果は人間が観測した短い時間線分に過ぎず、
その時間線分を組み上げた世界は色も時間軸も距離も複雑に混ざり合い、
直視しただけでは全ては色も無く非人間的な廃墟と化した世界。
それがロンバート大佐の云う『リアルな世界』。
状況の断片を頭の中でイメージすればいい。
実体があるのかどうかすら定かではないJAMとの戦いは、
相手ゴールの無いバスケの試合の様なもの。
勝ちようがない。
しかし、勝てないまでも、負けなければいい。
00-00
生きている限り、負けではない。
生き延びればいいのだ。
故に特殊戦の命令は単純明快である。
『必ず帰投せよ、これは命令である。』早川書房 刊
神林長平 著
アンブロークン アロー
戦闘妖精・雪風
早川文庫JA<JA1024>
定価(本体840円+税)