BGA (Ball grid array)

チップ(IC)は、ダイ(CPUなど)とその電源や信号を繋ぐリードフレーム(端子)をモール剤で封印したものだ。
このチップをボード(基盤)に固定するには

  • ボードに固定されたソケットにチップを挿入する。
  • ボードに開けられた穴(スルーホール)にチップのリードを差込み固定し、ハンダ付けする。
  • 直接ボードにチップをハンダ付けしたりする。(表面実装)

の方法を使う。
ソケットを使えば、古いチップを新しいチップに交換できるが、ハンダ付けされていると交換するのは厄介だ。
 
CPUは元々DIP(Dual Inline Package)が多かった。ソケットも使えるし、直接ハンダ付けもOKだった。
DIPはその名の通りダイを挟んで端子が2列に並んでいるパッケージで、古くからあるデジタルICの絵のイメージそのものだ。
何分、開発中の手直しやらCPU自体の不良も多かった時代はCPUを直接ハンダ付けするのはかなり無謀でもあった。
そのため手に取って扱うには便利なDIPだが端子の列の長さが中央のダイより長いので基盤上にはダイの何倍も大きい空き地が出来てしまう。
これがダイの辺を囲むように端子を配置したPLCC(Plastic leaded chip carrier)またはQFJ(Quad Flat J-leaded Package)と呼ばれるパッケージに変わり、基盤上の空き地を無くし、チップの高密度実装化が進んでいく。
CPUのピン数が多くなってくると4辺では足りなくなり、チップの下面いっぱいにピンを立て剣山風になったPGA(PinGridArray)が登場する。
あまりにピンが多いので押し込み型ソケットでは扱いずらく固定レバー付きのZIF(Zero Insertion Force socket)が使われたが
やっぱりピンを曲げてしまうことが多く今のLGA(LandGridArray)になっていく。
LGAの端子はピンではなく面だったのでソルダペーストを付けて基盤に表面実装もできなくもない。CPU同様にピン数が半端ない数だったチップセットもQFJからLGAへ進むかと思いきやLGAの端子をハンダボールで表面実装するBGA (Ball grid array)に変わっていった。
このBGAにはクセがあり、

  • 基盤に実装した後ちゃんとハンダ付けされたか目視できない。
  • チップが熱膨張収縮を繰り返すとハンダ付け箇所に横方向へのストレスがかかる。

が、ソケットを使わず基盤に表面実装することでその分高さが下がるので薄型ノートPCには向いている。
しかし、不良だったら基盤ごと諦めることになる。
Haswell(ハスウェル )ではこのBGAのみとなるそうだ。
既にATOMがBGAとして提供されているので技術的な面はクリアしているのだろう。
今でこそパソコンではHDDは3.5インチ、SSDは2.5インチ、メモリはDIMMが普通だが、
最近出てきたminiITXより小さい10センチサイズのNCUボードではmini PCI Express(mSATA対応) 用のSSDを使うし、メモリはSO-DIMMと他のものも変わるようだ。
でもビデオカードが必要なゲームはできそうもないが、多分nVidiaが出してきたサーバーサイドレンダリングに変われば事情も違ってくるかもしれない。
だが、そうなると、今のパソショップはサーバーサイドレンダリングなゲームの体験コーナがメインなアクセサリー屋になっているのかもしれない。ネカフェっぽくなっていそうだ。
また、小売を考えればグラボをレイド化したレンダリングサーバーなんてのも出てくるのかもしれない。(Not WINTEL inseide的なもの)
騒音も酷そうなので、冷却性と静穏性を兼ね備えた設計の筐体かもしれない。
それはもしかしたらグラボスロットが付いた冷蔵庫になっているかもしれない。
ベランダに置く空冷の室外機かもしれない。
もっとも、そのころには、モニターにINTELソケットが付いていて拡張ボード・アクセサリーとしてパソコンの子孫が残っているだけかもしれない。
そうなると、お高いWindowsは住む場所を失っているだろう。
勿論MS-Officeもだが・・・




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