ロケットエンジンと魔法の絨毯

ロケットは外気を吸気しない反動推進機関であるから、
一番効率が高いのは、噴射したガスのエネルギーを全てロケット本体に伝わる時だ。
静止している外野(地上から打ち上げるなら地上にいる人)視点から観て、噴射したハズのガスがその場に止まって見える時、つまり、ロケットの速度 = 噴射したガスの噴射速度 となる。
とは云え、それはそれなりにロケットの速度が上がった時の話で、ロケットの速度=0km/秒だったら、ガスを噴射するだけ無駄だから噴射しないのでは、ロケットは打ち上げられない。
最初は効率が悪い事を承知の上で、ロケットをガス噴射で「蹴飛ばさなければならない」のだ。そして、ロケット速度が上がれば上がるほど、燃焼効率が良くなる。
化学燃焼のロケットのガスの噴射速度は3.0km/秒が普通、高くても4.5km/秒が上限らしいが、実測ではなく、比推力(単位:秒=推力/(推進剤流量・重力加速度))×10倍で計算する様だ。
ここから、沢山のノズルを用意して一気に燃料を使えば推力は多くなるが、推進剤流量も同じペースで増え、比推力は変わらないから、噴射速度も変わらないので、燃料効率も上がらないことが判る。
ロケットは只でさえ重量比が酷いので、とりあえず常時最大出力のまま飛べるなら最高だが、地上付近は大気圧が高く加速しすぎて一気に空気抵抗が大きくならない程度に速度を抑えるしかなく仕方なく大量の燃料を積みこむことになるので、燃焼効率よりも経済性を優先していいだろう。極端な話、大気がかなり薄い高層まで打ち上げられるなら、何でもいいのだ。
しかし、ロケットの地上からの打ち上げは化学ロケットで行われている。
1つには人口衛星を地球の周回軌道まで打ち上げられる巨大なロケットを大気がかなり薄い高層まで持ち上げられるのはロケット・エンジンしかないこと。
巨大なロケットを搭載できる巨大なジェット機を建造すれば出来なくはないのだろう。あのスペースシャトルを運搬する貨物機もあるのだ。しかし、スペースシャトルを載せただけでも、燃費(航続距離が通常の5分の1)がかなり悪くなってしまったようで、これをあの巨大な燃料タンクも一緒に打ち上げるには、エンジン、燃料、機体の強化など様々な課題があるように思えるし、今は巨大ジェット機が営業的に難しい時期でもあり、今後も期待薄。
2つめにはロケットの凄さを使える宣伝効果。
仮に気球や航空機ではかなり高層まで上がっても、その先はもうロケットエンジンを使うしかない。
それに、化学ロケットよりも高速でガスを噴射し燃費が良いロケット(比推力が大きい)はあるが、推力<<地球の重力なので、まだ出番ではない。
なので、地球の周回軌道まではこれからも化学ロケットの出番が続くようだ。
もっと安上がりで安全な方法ってないのかな?
例えば航空機の翼の上面を分子構造が三角錐を繋いだ構造で上方向からの大気の気体分子の直球だけをひょいっと避けられる素材(爆)で覆うと対空速度は関係なく大気圧差で浮力を得られるから、太陽光を浴びながらノンビリと上昇限界高度まで待てばいい。
え?降りる時?その特殊な素材をロールに巻き取れば浮力が減って降りられます。(笑
 
 




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