結晶(crystal)とは原子や分子が空間的に繰り返しパターンを持って配列しているような物質である。
ここではキラキラ光るクリスタルガラスの様な偽物の結晶は除外する。
三次元空間での結晶化とは、ある物質の分子系低エネルギー状態に適応し相変異する時の一形態で、物質中の全方向に対して対称的だった構造がある特定方向だけに対称となることだが、空間的結晶+時間的にも=時空的な結晶ってあるんじゃ?というのが 時空間結晶らしい。
例えば、結晶中の一部または全ての原子が新円(輪)を描くなら、一定時間で元に戻るので時間的に連続しているから、時空間結晶になるんじゃなか?ということらしい。
ただ、統計力学的(巨視的な視点)には存在しそうにないと云われている。つまり、一部の原子が輪を描けば、その空いた隙間に熱的に運動する何かの別の原子がはまり込み、輪を描いて元の場所に戻ろうとしたら空き席が無くなっていて時間的に「繰り返しパターン」を描けないんじゃない?(実際にはブラウン運動になってしまうのかな?)ってことは普通にありそうだ。
しかし、極低温であれば各原子は熱的にあまり運動しないので時間軸上の繰り返しパターンに何かの別の原子がはまり込む前に常に元の場所に戻るならば成立する可能性はあるし超流動のように全分子が各々の位置に応じて一斉に調和の取れた同じ運動(例えば、何かの立体の形の頂点を一筆書きの様に動くなど)をすれば時空間結晶的でもある。また常温でも結晶内部の原子の移動が固有振動などで量子化されているならば、他の原子がはまり込みそうな隙間に入り込む方がエネルギー的に高い状態になり、熱運動等で偶然に隙間にハマり込んでも、元の位置に戻ろうとする原子が戻ってきた際には席を明け渡し自らエネルギー的に低い状態に遷移するかもしれない。※そんな現象は聞いたことがないけどね。
いづれにしても、この離散的対称性(ある特定方向だけに対称であること)を時間方向にも拡張した構造であり、これが永久的な動きに見えるものの、よりエネルギーの低い状態に相転移した結果であること、とくに全分子が同じ運動を少しづつフェースをずらして移動する場合には各分子の移動による外部へのエネルギー放出も相殺されて恐らく出てこない。※極短時間にはエネルギー放出と吸収が繰り返されるかもしれない。
だから、クリスタルがキラキラするから高いエネルギーが封入されていると思うのは「ファンタジーの中だけの話」である。
もっとも、亜光速度で分子がグルグルと移動する様な時空間結晶はよりエネルギーの低い状態を維持するために膨大なエネルギーをダダ漏れする存在になるのかもしれない。同様に亜高速で時空間結晶とスレ違うとトンデモないエネルギー輻射を浴びそうだ。