紙の上の数式と物理の実験

標準理論と呼ばれる宇宙の全てを説明するハズの方程式。
それを生み出そうとする流れは、実験結果を表す数式を生み出すだけでなく、数式の全体像をイメージできる様に、数式の対称性つまり既に知られている数式のモデル(回転対称性、ローレンツ対称性、ゲージ対称性など)で表現していくようになる。それ自体、最初は単に個人の趣味であったようだが、そうすることでイメージからある程度の正しさが判る反面、その雰囲気からある程度の実験結果との不一致をも明確にすることができたようだ。
そしてその不一致について考えるには、とりあえず新しいモデルを生み出し、後の研究で「ある程度の正しい」数式を内包する様に数式を導き出す(展開する)ことで、新しいモデルと「ある程度の正しい」数式の差を明確にし、新たに実験すべき現象を示し、その実験によって新しいモデルを証明する流れとなった。
ところが、導き出した数式は欲しい結果を左辺に置くような変換テクニックが使われる様で分母に任意の数値を示すパラメータ(変数)が含まれていることが多く、分母が0になる様な状況では計算不能。更なる探求が必要なことが判るたびに、ウンザリしてしまう側面もあった。
だから、新しいモデルは見向きもしない極普通人な研究者も多く、新しいモデルが正しいなら結果をうまく証明できる実験結果が発表されるまで、新しいモデルに対する研究者の評判はモデルの研究が進むにつれて上がったり下がったりを繰り返すことになった。
また、素粒子の現象に絞って標準理論の研究を進めらたせいもあり、ある対称性の現象はもっとエネルギーが低くなる現象によって結果が書き換えられるよね!と誰かが云いだすまでなかなか思い至らなかったり、でもそれを理解すれば「ごく当たり前」と思えることだったりする。モデルと物理現象の関係をイメージするために無関係そうに思えるものを取り除き整理することは当然だけど、それにはよーく考えないといけないのでモデルの要素を咀嚼選択することのはとても大変。
例えれば、大気中を遠くまで何かを飛ばすと空気抵抗で段々速度が落ちるので単純な放物線を描かない、だから放物線モデルは大間違いとするか、空気抵抗ってのがあるから、これをほぼ無視してもよいくらい重い質量で実験するか、とても遅い速度で実験するとかしないと・・・、色々考えるたら?何が正しいのか、訳が分からなくなりそう。何か信念をもっていないと、よさそうなモデルを生み出すのはなかなか大変に思える。
とは云うものの「よく判らないけど空間は素粒子の移動を邪魔する粒子で埋まっているのでその結果「質量がある様に見える」という仮定のモデル」が出てくると、やはり「怪しい」とか「美しくない」と『SFのご都合主義』のように感じるのは仕方がないことだろう。しかし、それも、こうかもしれないと長く実験を続けるなかで、実験結果とその仮定のモデルに矛盾がなさそうだとなってきて、なんとなく信じられている。
それでも数式の分母にパラメータがありそれが0の場合をどうするか?は依然として大きな悩みであり、距離が0にはならない様に「素粒子はヒモみたいなもので大きさがある」というモデルが出る。なかなかぶっ飛んでるモデルだが、一度は素粒子は大きさが無いと捨てたことを掘り起こした様なものだ。
しかし、その式でもやはり分母にパラメータが含まれている様で探求はこれからも限りなく続くのだろう。
また今は物理現象で次元と云えば一般相対性理論で出てくるX,Y、Z+時間=時空間というのが今は一般常識らしい。でも、ボクが物理の教科書でであった色々な数式は質量や運動量だけでなく温度や圧力と云った色々な要素の関係を表すものもあり、次元とは数式に出てくる何かのパラメータの単位(g、m、second等)のことであって座標や時間など特定のパラメータだけを意味するものではない。
この前提に基づけば数式に次元がいくつあっても不思議ではないので、空間に応用すれは空間=3次元や時空間=4次元に限定せず空間を10次元や11次元ととらえて別に問題はない(その次元が見えないあるいは観測できないのは観測によく用いる媒体(例えば光)とは無関係だからと云えなくもないのだ)。強い核力も極少サイズの力場(10-15m?)だったりするので、もっと極少サイズの力場が存在しても小さすぎるなら見過ごされていても別に不思議ではない。
という風に軽く考えては、モデルに現れる空間に関わる次元がいくつあってもいいような気がする。
また慣性質量(一般には質量:動きにくさ)と重力質量(一般には重量:重さそのもの)はほぼ同じの様だが、質量はあるが重量はない、これは質量は無いけど重力はあるとか半分だけあるとか、そう云うのもあったりするのだろう。
何事も細かいことまで言い出したらキリがない。
例え大元となる数式に分母が無くても、掛け算の演算子が含まれている限り、特定の目的に応じて数式を導き出せば(展開すれば)、どうしても分母にパラメータが出現するケースは起きてしまいそうだ。

問題:y=ax+b からaを求めよ。
ax = y-b であるから a = (y-b)÷x
やはり、分母にパラメータxが入った。
(x≠0)を付けなくてはいけなくなる。

答え:a = (y-b)÷x 但し、x≠0

orz

故に標準理論の探求に終わりは無いのだろう。




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