GWも終わり、オマケはどうでもいいから、読んでみようと本屋さんにいってみました。
一作目があった棚は、電撃文庫に占拠され、HJ文庫が見当たりません。(大笑
時期が悪かったんですかね。
別の棚に移動したのかな・・・、でも横の棚はBL系。(涙
という訳で今回ご紹介する本は、
『我語りて世界あり』
発行:早川書房 JA カ 3 18
著者:神林長平
ISBN978-4-15-03539-0 C0193 ¥700E
定価(本体700円+税)
エムコンという機械を身に付けた世の中全ての人が経験を共感する世界。
と云っても、一人の経験を共有するのではありません。
互いの経験を共有というか共感しているんです。
他人の経験と自分の経験が区別できない世界。
ボーグっぽい話なのかと思えば、そこは神林節。
頭の中がごっちゃごちゃになりそうなものですが、
それなりに誰もが普通に生活しちゃってる世界になっています。
その場の空気に流されて場当たりなロールプレイする日常生活を
しており、何気なく行った学校の職員室で『遅刻だぞ』と云われた途端に
誰かの先生の経験が頭にダウンロードされるようで、
じゃぁ~今日は先生役だね。
な調子でちゃんと授業もこなせる便利というかご都合良過ぎな世界になっています。
なんとも便利なこのエムコンも元は勉強するとか経験を積むのが
大変なので出来たシステムなんでしょうが・・・
こんなロールプレイをしていたら、自分の名前なんて邪魔になりますよね。
都合が悪いので禁止されています。
ところが、遊びで名前を付け合った3人の子供がいたことから
話は妙な方向に進んでいきます。
※『お前はJAMだ!』なんて云われませんから、ご安心を・・・。
※この話は、テレビやインターネットでマスメディアのタレ流す情報を共有し会話で確認し合う現代の人々を違った方向から見た世界でもあるようです。今のマスメディアは自力でタレ流す情報を探す必要があり、面白いネタがいろんなところに転がっていないと困りますので、自我の確立は不都合どころか検索キーワードとして利用され情報の消費を促進する効果すらあります。