原子・素粒子・クォーク

固体や液体は分子や原子の集合体で出来ているというのが定説だが、『物質を無限にどこまでも小さく分割できる訳では無い。なぜなら無限に分割できるなら無から有が生じることになり、どこかで限界つまり最小単位(アトム)があるハズだ。』と云う哲学的な考察から生まれた原子論がそのまま受け入れられた訳では無い、なぜなら最小単位が充分に小さいなら無限に分割可能と考えても差支えないからだ。
近年の原子論は物質にX線をあてるとその反射の具合が一様ではなく、小さな粒がかなりの間隔を置いて配置されているかのような結果だったことに始まる。人間の物質の感触からはX線を反射する小さな粒が大きな間隔を置いて並んでいるという構造は感じられない。(笑
この違和感を埋めたのが素粒子論だった。つまり原子は独特な構造(小さい原子核と周囲の電子雲)を持っているが、この小さな原子核が遥かに大きなサイズの力場を形成し、原子同士はこの力場が作用するため、人間(つまり原子の集合体)には、その隙間を感じることができないとしたのだ。

その原子の構成要素である素粒子はその後結構な数が発見された。素粒子論では素粒子=力場を形成するもの=力場を伝達するものと考えているため、力場即ち、素粒子同志の新しい反応が発見されると、新しい素粒子が自動的に生まれることになるからだ。余りにも数が多いので、実際には原子同様に素粒子も内部構造があると考えられた。つまり原子レベルでの原子核のようなものと考えていい。それはクォークと名付けられた。
その意味では原子も素粒子も同じ様な構造(力場とその中に極小さい素粒子がある)もので、実際、水素なぞは陽子とその周囲を電子が回っている様なモデルであり、素粒子のよくあるペア構造と云ってよく、よくよく考えれば原子も素粒子も境界線は結構曖昧だが、素粒子なのに物質にタメ口を吐くのが水素といってよい。物質たる人間はそんな素粒子なら感じられる。
しかし感じるものは何でも物質と人間は思っているので、水素は物質として扱われてる。
物質として扱う都合上、水素はH2と表記され、2つの水素原子が結合した状態であるとされる。
これは、1個の電子が原子核の周囲を回ると、原子核が電子を振り回すような恰好になり、反動で原子核はふらつき不安定だが、2つの原子核を2個の電子の雲が覆うと電子が周回軌道の反対側に位置すれば、原子核の位置が安定するし、2倍のクーロン力で電子が原子核に引き寄せられるため、電子の持つエネルギー量はH×2個よりも高くり、その分他の原子核の影響度は低くなり疎遠になり何かのはずみで大気中の放出されやすいと云える。
一方、クォークは厄介な概念になっている。力場=素粒子と云うそれまでの素粒子論の考え方が安易だったと反省することもなクォークがあるハズだとく突っ走っているからだ。さらにクォークは素粒子の実態(素粒子の素+力場)と考えるとクォーク単体での力場は素粒子の力場より強力でそれ故に素粒子同志の衝突でも容易に正体を現さないと考えられている。さらに原子サイズでは素粒子の力場が原子の反応に関与していた様に、素粒子サイズではクォークの力場(=クォークのサイズ)が素粒子の反応そのものに影響を与えるため、素粒子の力場よりクォークの力場の方が大きくなければならず、それではなぜ原子の反応に直接クォークの力場が介在しないのか不明のままであり、原子・素粒子・階層モデルは概念としてかなり破たんしている。
単純に云えば、地球を構成する物質はどんな圧力でも壊れない原子で構成されているのではなく、それなりの圧力を加えれば原子も壊れてしまうが、そんなレベルでは素粒子は壊れない。しかしもっと圧力を加えれば素粒子も壊れるが、クォークは壊れない。そう考えると、物質は実際にはとんでもなく頑強で絶大な力場を持った何かで構成されているハズだが、実際にはそれを感じることができないからだ。
それを解決したのが力場理論である。
素粒子(あるいはクォーク)はいくつかの力場を持ち、それぞれの力場には力場の到達限界距離があり、地球に例えるなら、表層、マントル層、外核、内核という感じで各力場が目立った働きをする距離(間合い)があるとした。
それも最近では11階層以上あるらしく、雲行きはかなり怪しく、大方の力場は素粒子よりかなり小さいサイズの到達距離しか持たないとされ、物質に関与しそうな力場は4大力場(重力、クーロン力、核力、弱い核力)とされ、他はビックバンなど非常に高密度で高エネルギー状態でないと反応することはないとされる。
さて、最近話題になってるヒッグス粒子は、質量の力場を構成する素粒子である。他の素粒子の行く手を阻む赤信号の様な陰湿な性格の持ち主である。何だったら今話題の消費税8%と同じと云ってもよく、ヒッグス粒子は素粒子世界の大不況の元凶なのである。どの素粒子も光速度で移動できハズなのだがコイツのせいで一気にスピードダウンし、まごまごしているうちに原子になったりしてしまったらしい。
そうなればヒッグス粒子は見えないし感じることもできないが空間に充満しているはず。否、ヒッグス粒子がぎっしりと詰まっているのが物質界での空間と云えることになる。宇宙には十分なヒッグス粒子がない領域もあるだろう。そこでは素粒子は自由に移動しており、物質なぞないだろう。ただヒッグス空間は広がり続けているらしい。他の素粒子に慣性質量の属性(あるいは力場)を生成するヒッグス粒子がある方向に移動するとそのヒッグス粒子はあらゆる方向に偏在しつつ移動することになる。なぜなら、そうならないと他の素粒子の慣性質量を維持できないつまり運動量を保存できないからだ。そうなると、自らの影武者の影響を受け止めどない自己増殖が始まる。まずいことにヒッグス粒子自体は質量を持たず、他の力場も持たないため、自己増殖に要するエネルギーは理論上0で一度勢いが付けば、際限なく増殖していく。まだヒッグス粒子が増殖していない空間では光速度で移動する素粒子が乱舞する世界。そこに不気味な真っ黒なヒッグス球状空間。まるでブラックホールの内側の世界みたいだ。
しかし、宇宙誕生直後から宇宙空間にヒッグス粒子があった訳では無い。かなり出遅れて出現し、今現在もまき返しの真っ最中。
 
 
 
 
 




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